年末の悪夢の伊豆ツーリング

強風・極寒・体調急変食中毒ツー

2007.12.30(日)走行

今年を振り返る

 2007年を振り返ると殆ど毎週末バイクに乗り、娘2人を含め子供達とそれぞれ2泊3日のキャンプツーリングも体験させ一緒に楽しんだ充実の年だった。今年は年末の大掃除も早めに着手し目処が付いていたので、30日(日)は今年のバイクツーリングの締めとして息子(大貴・中1)と2人で伊豆へツーリングに出掛ける事にした。当初は千葉房総方面のツーリングを視野に入れていたのだが、数日前にふと購入したバイク雑誌「BikeJIN」(倍倶人)に「冬の贅沢 伊豆の温泉バイク旅」と言う特集記事が載っており、更に読者特典も活用出来そうだったので予定を変更し伊豆に行く事にした。使用するバイクは勿論BMW R1200RT。寒い冬にはグリップヒーターや前後シートヒーター、電動スクリーンが威力を発揮してくれる。

東伊豆へ

 朝7時には起床し7:30頃出発する。東京はここ数日天気も良く冬晴れを期待していたものの、この日の朝実際には頭の上にはどんよりした雲が広がり天気が悪い。しかし天気予報では確実に良くなるとの事だったので青空を期待し出発した。

 東名高速道路に乗り、取りあえず海老名SAを目指す。海老名SAまでは順調であったが、帰省渋滞や事故渋滞が発生しているらしく、電光掲示板には厚木から先秦野IC付近や富士IC付近での渋滞が表示されていた。海老名SAに到着すると何時もならこの時間ツーリングへと向かうバイクが沢山駐車されている二輪専用駐車場が、ガラガラ状態である事に少しビックリ!さすがに年末だけあってバイクで出掛ける人は極端に少ない。何だか少し寂しい気もする。(^^;)

 海老名SAで朝食を食べるが、大貴は朝から吉野家の牛丼が食べたいと食欲旺盛。しかしこの時間帯は豚丼しか販売されてなく、仕方なく豚丼を一緒に食べる事に。腹ごしらえが済むと直ぐに出発する。

 海老名SAを出ると厚木ICで東名高速道路から小田原厚木有料道路へと進む。東名高速道路の渋滞は厚木ICの出口車線を走っていると、本線が直ぐに渋滞となっていたのを目撃する。ギリギリ渋滞に巻き込まれずに済んでホッとする。その後小田原厚木有料道路も渋滞とは全く無縁で順調に走行。西湘バイパスへと走り石橋ICで東伊豆への入口とも言える国道135号線へと入った。

東伊豆の海岸線に面した道路を南下する

 久し振りの東伊豆である。ここから国道135号線を南下し時計回りで伊豆半島を周遊するつもりである。ここからは真鶴有料道路(新道)、熱海ビーチラインと2つのETCカードが使えない現金払いの有料道路を走る事になるが、事前に大貴にお金を渡しておき支払いをしてもらうので何とかスムーズに通過出来るだろう。いっそうの事バイクは無料にして欲しい位だ。

 ところで天気の方だが真鶴有料道路付近ではもうすっかり青空が広がり予報通り晴天となった。しかしそれと引き換えに急に風が強くなってきて、真っ直ぐ走行するのが大変な位の横風を受ける。西から強い風でこの後特に西伊豆を走行する事を考えるとちょっと心配になる。

 真鶴有料道路出口でセルフのガソリンスタンド(ENEOS 湯河原SS)を発見し、その先の信号で右折しUターンしてスタンドへ立ち寄った。既に給油を促す警告灯が点灯していたのだ。ここでのガソリン価格はハイオクでリッター当たり161円。今年後半はガソリン価格が急騰し、さすがに燃費の良いバイクとは言え非常に厳しい感じがする。給油していると石橋IC付近で見かけたオフロードバイクのグループが入って来た。

道の駅「伊東マリンタウン」でルート変更

 東伊豆を順調に走行し、休憩に立ち寄ったのが道の駅「伊東マリンタウン」である。(9時頃) ここには以前車では数回立ち寄った事の有る道の駅で、魚貝類のお土産が豊富に売られている道の駅である。2人共喉が渇いたのでここでは暖かい缶ココアを2人で飲み、この先何処を目指すのか?相談する事にした。駐車場にイラストマップが有り、それを見ていてふと思ったのが大貴が好きそうな西伊豆の土肥金山の砂金採りを体験させてやろうと思い立った。それを伝えると大貴は嬉しそうに「やりたい!やりたい!」と直ぐにその気になった。しかし、伊豆半島を時計回りに周るという事は、土肥への到着は午後遅くになる。それを話すと先に土肥に行きたいと言い出したので伊豆半島を横断し先に土肥へと向かう事にした。

 道の駅「伊東マリンタウン」を出て、伊東から県道12号線へと進み冷川峠経由で修善寺を目指す。この道は道幅が狭く対向車も意外と多い道だが走り難くはなかった。修善寺に抜けると県道349号線 → 国道414号線 → 国道136号線と進み土肥に到着した。土肥金山には10:20頃到着した。

土肥金山で砂金採りを楽しむ

 「土肥金山」では道の駅「伊東マリンタウン」で入手した「伊豆箱根 まる得 オレンジ割引マップ」のクーポン券を利用し、大人¥840 → ¥720 の割引を受ける。道の駅にはこの様なクーポンが有るかも知れないので要チェックだ。また、事前にWebサイトで割引券をプリントアウトしておくのもお勧めだ!

 まずは土肥金山の坑道を見学する。坑道は思っていた以上に整備されており、江戸時代の金の採掘の様子が良く分かった。金の鉱脈も実際に見る事が出来、説明文を読む事により詳しく判る。ちなみに坑道内はとても暖かく、まるで暖房でもされているかのような温度であった。

 坑道内見学を終え、黄金館と言う資料館へと入る。ここでは一際大判・小判の金貨の輝きが目に留まる。赤い布の上に展示されている金貨がとても美しい。 この資料館内では金の採掘方法や金の分別方法が詳しく解説されるだけでなく、純金に触れその感触を直接確かめられたり、その重さを体験する事も出来るコーナーが有って面白い。千両箱の重さは22kgも有るそうで、千両箱と言っても1千両どころか2千両以上も入る千両箱も中にはあるらしい。そして金の延べ棒を掴んで持つ事が出来るコーナーも有った。金の感触はとても冷たい。やっと持ち上げる事が出来る重さで、本物の金塊を触れるのは貴重な体験でもあり大人でも楽しい。  そしてこの土肥金山の資料館には世界最大の金塊が展示されている。(ギネスブック申請中らしい)その重さ何と250Kg。これも直接触れる事が出来、皆その大きさにビックリしていた。

 そしていよいよ砂金採り体験。こちらは別途¥600(子供・小学生まで ¥500)を支払い、30分間採り放題の砂金採り体験が出来る。

 2人共真剣に砂金採りに励むが、私も大貴も7〜8粒の砂金を採る事が出来た。結構腰にも腕にも力を入れるので、その体勢からも体力も根気も必要だ。何と過去には30分で85粒も砂金を採った人が居ると言うのだから凄い。

強風との戦いと松崎での食事

 土肥金山で十分楽しんだ後、お昼ご飯を食べに松崎へと向かった。松崎に向かう途中、海岸線沿いに国道136号線を南下したが、西風をモロに受けるこの道の走行は困難を極めた。まるで台風並みの強風である。今回妻も一緒にツーリングに行く事も考えていたが、こんな強風だとまともに運転出来なかったと思い、連れて来なくて良かったと思っていた。時折見える駿河湾の海は白波が立ち、防波堤に波が当たり砕け散っていた。

 当初予定していた食事処は松崎港にある「民芸茶房」を予定していた。しかし、お店の前まで来ると店は営業しておらず、仕方なく国道136号線へと戻る。すると直ぐに長八美術館前に「さ○○」と言う地魚料理屋を見つけそこで食べる事にした。このお店は人気の有るお店の様で、店内はとても混雑し、実際に食べるまで1時間近くも待たされた。しかしこのお店で食べた事がその後の悲劇に繋がる事を当然ながらこの時は知る由も無かった。

 料理が出てくるまでの待ち時間、外の強風がとても気になり気が気ではなかった。もしかしたらバイクが強風で倒れるのではないかとハラハラしていたのである。時折ゴーとかピューっと言う音が聞こえるたびに、入口のガラス越しに見える自分のバイクが倒れていないか確認するほどであった。そしてやっと料理が出てきた。大貴が食べたのはトビウオの天ぷら定食。私は天ぷら定食を食べた。思っていた以上に量が多く、お腹が一杯になった。さすがの大貴も結局食べ切れなかった。そして何となく私が食べたこの天ぷらの中にあった貝が少し気になっていた。 

 松崎で食事をした後、大分時間をロスしてしまった事と強風による海岸線道路の走行を危惧し、そのまま国道136号線を海沿いに南下するのではなく、県道15号線(松崎街道)を東に向かい、国道414号線に出て南下、下田へと抜けた。下田付近では多少混雑したものの、この日入浴する温泉として予定していた今井浜の「サンシップ今井浜」へ向かうべく国道135号線を北上した。その途中、私は何となく胃腸に若干違和感を感じて走行するが、その時はそれ程気にすることは無かった。

サンシップ今井浜にて入浴、そして体調急変

 今回入浴する事にした「サンシップ今井浜」は内湯(男女別)と展望風呂(水着着用混浴)、岸壁に在る離れの露天風呂(男女別)の3つが有る日帰り専用温泉施設で、何と水着の貸し出しも無料で行っている。冒頭に触れたバイク雑誌「BikeJIN」(倍倶人)の読者特典で、雑誌を見せると嬉しい事に何と2人分のオリジナルタオルを貰えた。(1人分しか貰えないと思っていたので嬉しい)

 当初は内湯のみ入るつもりだったので、水着は借りずに入浴する。ここでとうとう体調が悪化し出した。風邪をひいた訳でもないのに、何故か温泉に浸かっていても寒気を感じる。そしてまるで湯中りしたように気分が悪くなり身体に妙な疲労感を感じ出したのだ。しかし、それでも大貴の展望風呂や露天風呂に入りたいと言う希望を更に聞き、大貴に受付で水着を借りてきてもらい水着を着用しそれぞれしっかり入浴した。

 そしてお風呂から上がると休憩室で少し横になった。長距離ツーリングや寒さにも強いと自負する私だが、明らかに何時もとは違う体調の急変を感じていた。妙な疲労感と脱力感を感じながらもここはまだ南伊豆。自宅までは頑張って帰らなければならないと自分の身体に鞭を打ち出発した。時間は17:50頃だった。

帰宅後、倒れる。そして原因は食中毒

 ひたすら東京の自宅を目指し走行する。せめてもの救いは道が空いていたと言う事。体調は悪化し関節の痛みや肩凝り、頭痛が辛くなってきた。 私は全く食欲はわかなかったが大貴がお腹が空いたとの事で途中コンビニに立ち寄った以外はノンストップで走った。

 余談では有るが、右の写真はその途中で立ち寄ったコンビニで、どうしても手だけが寒いと言う大貴の為に「貼るカイロ」をタンデムグリップに巻いてみた。効果は? 残念ながら寒さの方が勝り、全く意味が無かったそうだ。
 国道135号線をひたすら北上し、熱海ビーチライン → 真鶴道路(新道) → 西湘バイパス → 小田原厚木道路 → 東名高速道路と走り、自宅に到着したのが21:05だった。

 何とか無事到着するも、無事帰宅出来緊張が途切れたせいか身体の自由が利かないほど体力を消耗した私はリビングで倒れてしまった。そしてその後激しい下痢を繰り返し明け方どころか翌朝まで激しい下痢が続いた。夜中の3時頃には嘔吐までする始末。熱を測ると39.1度も有り頭痛も激しく辛かった。(風邪はひいていない)

 結局その後12月31日、1月1日と年末年始は丸々2日間寝込んでしまった。医者に見て貰ったが原因は食中毒との事。考えられるのは松崎のあのお店で食べた天ぷら以外考えられない。それしか食べていないからだ。(怒) せめて大貴とは食べたメニューが違い、大貴の体調が何とも無かったのが幸いだった。私は丸々2日全く食欲がわかず3日目の夜にやっとお粥を食べれる様になり、完治したのは1月4日と散々な年末年始であった。

おわり